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YOJ2011観戦記 9月23日 準々決勝の様子

男子シングルス

男子シングルス準々決勝では、ここまで実力に違わぬ活躍を見せてきた田児賢一(NTT東日本)が世界ランキング1位でこの大会2度の優勝経験があるリー・チョンウェイ(マレーシア)に挑んだ。
第1ゲーム、開始早々ライン際への強力なスマッシュで観客を魅了するリー・チョンウェイに対し、田児は我慢のラリーとなる。サイドラインに飛んでくる厳しいショットを拾い、ネット前からタメをつくりクロスに低いレシーブを放つ。リー・チョンウェイは持ち前のスピードを駆使し、一度抜かれた球にあたかも当然のように追いつき、そこからスマッシュに持ち込む場面が多くあったが、「世界選手権決勝でリン・ダン(中国)にファイナル逆転負けをしたショックを大きく引きずっており、今はベストコンディションではない。」という精神状態からか、スマッシュがアウトになるなど、ミスが目立ち始める。田児はリターンから徐々に自分のペースをつかみ18-18の同点に追いつくと、リー・チョンウェイのショットにもうまく反応して粘りを見せる。先にリー・チョンウェイに20-19とゲームポイントを握られるが、田児は強烈なクロススマッシュを決めて再び同点に追いつく。そのまま相手のお株を奪う好ショットを放ち、23-21でこのゲームを奪う。
第2ゲームに入ると、世界ランキング1位の実力が目を覚ます。田児が放つネット前からの低いレシーブに一瞬にして飛びつき、強力なスマッシュを相手コートに突き刺し続け、11-3と一方的なゲーム展開とする。「リー・チョンウェイのショットは質が良いだけでなく非常に重い。返すには手だけで打つとコントロールが効かないので、体全体を使わないといけない。その結果1ゲーム目で体力を奪われた。」と試合後語ったように、スピードを上げてきたリー・チョンウェイの前に田児はついていくことができず、なすすべなく7-21で2ゲーム目を失った。
ファイナルゲーム、第2ゲーム同様リー・チョンウェイの猛攻が続き、4-11とされた田児の内容は相手のミスに起因する得点のみと、苦しい戦いが続く。しかしチェンジエンズ直後、何とかスピードを上げた田児は再び早いタッチで仕掛け、甘く返ってきたハイバックに対してストレートのスマッシュを沈めると、ここから相手のミスを誘うラリー回しで9-12まで追い上げる。これに対し、攻め上がるスピードをさらに増したリー・チョンウェイは強烈なスマッシュなどで7連続ポイントを奪い、10-19とする。追い詰められた田児は、最後の力を振り絞って決死の攻撃を仕掛ける。右に左に飛びついてスマッシュを決めるほか、より厳しいコースを狙った攻めのレシーブやヘアピンをラインギリギリに決めるなど、この日一番の積極さで18-21まで追い上げる。満員の観客が固唾を飲んで見守る中、最後はリー・チョンウェイが「中盤からかなりのリードがあったので、1本集中して取ればいいと思っていた。」と言う通り、田児の攻撃を鋭く切り返し、スマッシュを決めた。スコアは19-21、田児はもう一歩のところで届かなかった。
試合後、田児は「2ゲーム目の点差が今の実力差だと思っている。勘違いしないようにしてこれから詰めていきたい。」と語った。一方、準決勝へと駒を進めたリー・チョンウェイは田児について「昨年の全英では積極的なプレーが光ったが、今日はその頃に比べると良くなかった。それでもオリンピックまでの10か月でしっかり成長すればトッププレーヤーになる可能性はある。」と評した。

女子シングルス

女子シングルス注目の準々決勝は世界ランキング1位のワン・イーハン(中国)と世界ランキング6位のティーネ・バウン(デンマーク)が顔を合わせた。
ワン・イーハンは、’11世界選手権優勝をはじめ今年すでに4度優勝を飾っている。この大会も’-08’09と2連覇を果たしている。ティーネ・バウンは、この大会の’07での優勝をはじめ’08’09の全英オープンで優勝している。世界ランキング上位4位までを占める中国勢打破に燃えている。
過去の2人の対戦成績は5勝4敗でティーネ・バウンがリードしているが、直近の対戦ではファイナルの末ワン・イーハンが勝利している。
第1ゲームはお互いに厳しいコースにシャトルを運び、チャンスを待つ我慢比べとなった。ティーネ・バウンはサーブの高さに変化をつけて打開しようとする。これに対してワン・イーハンはネット前のショットを丁寧にプレーしていく。1点を争う好ゲームから抜け出したのはワン・イーハン。9-11とリードされたが、ティーネ・バウンのバック奥を攻めクロスカットのコースを読みヘアピンを鮮やかに決めるなど連続7ポイントを奪い16-11と逆転する。ティーネ・バウンも早い攻めでポイントを奪うが21-17でワン・イーハンがこのゲームを奪った。
第2ゲームに入るとワン・イーハンはシャトルコントロールに苦しむ。「コートによって風向きが違い戦術的に打ち方を制限した。自分のミスもあって点差をつけられてしまい、相手が自信を持って打ってきた。」と話すように、低くて速いロブやドリブンクリアーに精度を欠き、ティーネ・バウンが21-14で取り、ファイナルゲームにもつれ込んだ。
ファイナルゲームに入るとスピード上げるワン・イーハンに対しティーネ・バウンはロブが甘くなるところを逃さず強打で沈めていく。混戦から抜け出たのはレシーブで粘りを見せたワン・イーハン。相手ミスに付け込みポイントを奪うと、要所では角度のあるスマッシュを決めていく。フェイントの効いたネットショットで20-15とマッチポイントを掴むと最後は連続スマッシュで21-15と決着をつけた。
ワン・イーハンは「悪いとは言わないが、ミスもあり完ぺきではなかった。風向きがコートで違いお互いに100パーセントの力を出し切ったとは言えないのではないか。しかし勝てたので良かった。」と話した。

男子ダブルス

男子ダブルス準々決勝は、北京オリンピック金メダリストで世界ランキング7位のマルキス・キドー/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)と従来のペアリングでないコー・スンヒュン/イー・ヨンデ(韓国)が対戦した。韓国は共に別のペアでランキングを持っており、イー・ヨンデは世界ランキング2位、コー・スンヒュンは世界ランキング4位と世界トップレベルの熱戦となった。
第1ゲームは、「サービスでのミスが多かった」と振り返った韓国ペアのイージーミスなどで6連続ポイントをインドネシアペアが奪う。さらにインドネシアが得意とするドライブでチャンスを作り、スマッシュ、プッシュを決め、8連続ポイントで18-4と大きくリードする。最後はコー・スンヒュンのサーブがネットにかかり、21-10でインドネシアペアが奪う。
第2ゲーム序盤、1点を争う好ゲームとなる。12-13と韓国ペアのリードからイー・ヨンデがフェイントを利かせたネットでエースを奪うなど3連続ポイントで16-13と引き離す。マルキス・キドーのドライブが精度を欠き、思うようにラリーを展開できず、最後はヘンドラ・セティアワンのスマッシュがネットにかかり、21-14で韓国ペアが奪い返し、勝負はファイナルゲームへと持ち越された。
ファイナルゲーム、お互いに点数を重ね、マルキス・キドーがロングサーブを効果的に織り交ぜ、エースを奪い、揺さぶりをかける。「自分たちが有利に試合を進められた。」とインドネシアペアが振り返ったようにドライブでコースを突いてチャンスを作り、スマッシュ、プッシュを決め、10連続ポイントで16-9と主導権をしっかりと握る。韓国ペアも素早くに前衛に入り、攻撃への糸口を掴もうとするが、インドネシアペアはドライブを二人の間にリターンし、チャンスを与えない。最後は、コー・スンヒュンのプッシュがネットにかかり、マルキス・キドー/ヘンドラ・セティアワンが準決勝進出を決めた。
試合後、インドネシアペアは「厳しい戦いだった。勝ててほっとしている。明日は、マルキス・キドーの弟のボナ・セプタノ(インドネシア)と対戦する。お互い全力を出して戦いたい。」と話した。

女子ダブルス

女子ダブルス準々決勝では、松尾静香/内藤真美(パナソニック)はバオ・イーシン/ツォン・チャンシン(中国)と対戦した。
松尾/内藤の世界ランキングは7位。バオ・イーシン/ツォン・チャシンは世界ランキング90位ながら先週行われたチャイナマスターズでは3位に入っている新鋭ペア。
松尾/内藤とはチャイナマスターズで対戦しており、その時はバオ・イーシン/ツォン・チャンシンがストレートで勝利している。
第1ゲームは「レシーブをしっかりストレートに返すこと。」を心がけて臨んだ松尾/内藤が、ローテーション良く積極的に攻めていく。松尾はロングサーブを織り交ぜながら、押してくる相手に的を絞らせない。一方バオ・イーシン/ツォン・チャンシンは持ち味のスマッシュのコースに変化をつけるうまさでレシーブ力のある松尾/内藤のミスを誘う。サーブの間合いでの駆け引きもあり、1点を争う展開で進む中、14-16とリードされた松尾/内藤は、粘りのあるレシーブでチャンスを掴むと確実に決めていく。内藤の後衛からのスマッシュに松尾が前衛で決める得意のパターンも出て、連続4ポイントを挙げて18-16と逆転する。最後はバオ・イーシンのサーブをレシーブした松尾のシャトルがネットインして21-18で松尾/内藤がものにした。
第2ゲームも流れを掴んだ松尾/内藤に、自信を持ってプレーする安定感があり優位にゲームを進めていく。しかし20-18とマッチポイントを掴み勝利を目前にしながら、慎重になりすぎて20-20の同点に追いつかれてしまう。松尾のヘアピンにバオ・イーシンが飛び込み押し込むと、さらにクロスショットを松尾がカットしようとしたがネットにかけてしまい20-22でバオ・イーシン/ツォン・チャンシンがこのゲームを奪う。
ファイナルゲームになると、第2ゲームの勢いをそのままにバオ・イーシン/ツォン・チャンシンが連続6ポイントを奪う。会場からは自然に「頑張れニッポン」コールが沸き起こり、松尾/内藤を後押しする。しかしスマッシュでの攻撃の手を緩めないバオ・イーシン/ツォン・チャンシンの前に堅実なレシーブをみせていた松尾/内藤にレシーブミスが出てしまう。それでも14-15と1点差まで迫る場面もあったが同点にすることが出来ない。結局そのまま押し切られてしまい19-21で敗れてしまった。
バオ・イーシンは「日本ペアはサーブが良かった。」と話せば、ツォン・チャンシンはサーブに時間をかけたことについて「作戦としてリズムを崩すために行った戦術。」と話した。

女子ダブルス準々決勝には、2日連続でファイナルゲームをものにしてきた藤井瑞希/垣岩令佳(ルネサス)が登場した。相手はこの1年で急激に世界ランキングを上げ、現在6位のハ・ジュンユン/キム・ミュンジュン(韓国)。これまでの対戦成績は2勝2敗と、どちらも負けられない大事な一戦となった。
 第1ゲーム、まず主導権を奪ったのは藤井/垣岩。相手の攻撃に対してコートを広く使ったレシーブからリズムを作った。特に垣岩の反応が良く、早いタッチでドライブ・レシーブを切り返して相手にプレーをさせず、11-4とする。韓国ペアはインターバル後、積極的な攻撃で5連続ポイントと追い上げる。しかし垣岩が前衛で素晴らしい反応からプッシュを決めて流れを取り戻すと、そこからは藤井のゲームメイクも輝きを見せる。決して攻め急ぐことなく、鋭いクリアーやネット近くに落ちるドロップなどを織り交ぜて相手を動かし、体勢を崩してから有効的にスマッシュを決めた。「1ゲーム目は相手の動きが良くなかった。」と藤井が試合後語ったように、終盤には韓国ペアの3連続ミスもあり、日本ペースのまま21-12で1ゲームを先取した。
 第2ゲームに入ると、韓国ペアがより強力なスマッシュを連発して、日本ペアのレシーブを打ち破る。藤井/垣岩は長いラリーこそ粘りと細かい切り返しで制するものの、ボディに食い込んでくるスマッシュをレシーブしきれず、甘くなったところを次々と決められてしまう。また、低いリターンにも韓国ペアがついてくるようになり、攻めきられる形で9-21と2ゲーム目を落とした。
 ファイナルゲームは韓国ペアが第2ゲームの勢いそのままに、決定的なショットを繰り出し、日本ペアのミスを絡めながら、5-0とリードする。しかし、藤井/垣岩はここから長いラリーを攻め勝つと、低い展開から仕掛ける攻撃のリズムが徐々に良くなり、追い上げが始まる。垣岩が前衛・藤井が後衛という本来とは逆の形ながら、それぞれがテンポよくショットを繰り出す。そして藤井がキム・ミュンジュンのボディにスマッシュを決めて7-7と同点に追いつく。ここからはお互いに一歩も引かない攻防を展開する。日本ペアは13-13となった場面で本来の形を取り戻し、藤井がネット前からフェイントで相手バック奥を突き、甘く返ってきた球を垣岩がジャンプスマッシュで決めて14-13。その後、厳しくリターンしようとする球をサイドアウトにするなど細かいミスこそあったが、攻撃の形を保って垣岩が次々に強力なショットを決め、最後は藤井がネット前で放ったクロスネットにキム・ミュンジュンのレシーブが返らず、21-16で勝利した。
 試合後、キム・ミュンジュンは「練習不足でスタミナがなかった。ファイナルゲームは勝利という目標が近くまで見えてきてしまったことで焦ってしまった。」と語った。
 女子ダブルス日本勢として3年連続ベスト4以上を決めた藤井/垣岩だが、会見で優勝への意識を聞かれると「昨年、先を見すぎてシーズン後半に成績が落ちていくということを経験したので、今年は1つ1つ目の前の試合を大事にしている。それがここまでのいい結果につながっていると思うので、この大会でも目の前の1試合に集中して臨みたい。」と気を引き締めた。

混合ダブルス

混合ダブルス準々決勝は、世界ランキング4位のヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティーナ・ペダーセン(デンマーク)と世界ランキング26位の佐藤翔治(NTT東日本)/松尾静香(パナソニック)が対戦した。
第1ゲーム序盤、クリスティーナ・ペダーセンにシャトルを集め、プレッシャーを与え、佐藤がスマッシュし、松尾がプッシュのパターンで決め、佐藤/松尾がペースを掴み、11-6とリードする。「日本ペアがよく動いているのにゆっくりと対応してしまった。スピードアップをした。」とデンマークペアがここから世界トップの実力を発揮する。ヨアキム・フィッシャー・ニールセンが強烈なスマッシュを放ち、ハーフへのリターンを素早く前に詰めてドライブ、プッシュと連打し、決めていく。佐藤/松尾も粘り強くレシーブし、攻撃へのチャンスを作ろうとするが、勢いに押され、反撃することができない。結局は、13-7と佐藤/松尾のリードした場面から14連続で失点し、21-13で奪われてしまう。
第2ゲーム、「日本のミックスは強くなってきている。よくチェックして、戦略を練ってきた。」というデーマークペアは1ゲーム目の流れのまま試合を有利に進めていく。佐藤/松尾は流れを変えようとドライブを左右に振っていくが、丁寧にリターンされ、逆に点差を広げられてしまう。最後は、佐藤のサーブをクリスティーナ・ペダーセンが佐藤の逆を突いたプッシュで決め、21-10のストレートでヨアキム・フィッシャー・ニールセン/クリスティーナ・ペダーセンが準決勝への切符を手にした。
試合後、佐藤は「ベスト8に入れたのは満足しているが、内容的には課題がある。悔しい。」、松尾は「オリンピックの出場権を狙っていきたい。」と意気込みを語った。

新着情報

■ご来場者の皆様へ
今大会より世界バドミントン連盟(BWF)の規定により、会場内でのビデオ撮影は禁止になりました。
また、デジタルカメラやカメラ機能付携帯電話の動画撮影機能の使用も禁止といたします。

ライブスコア ドロー
試合結果 タイムテーブル
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