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9/25(日)決勝 |
9/24(土)準決勝 |
9/23(金)準々決勝 |
9/22(木)2回戦 |
9/21(水)1回戦 |
9/20(火)予選 |
観戦記事 9/21(水)1回戦
男子シングルス
世界の壁に阻まれた男子シングルス陣。一戦一戦の積み重ねで飛躍を
ヤン・ウ・ヨルゲンセン(デンマーク) 21-15 / 21-13 武下利一(トナミ運輸)
男子シングルス日本勢で唯一本戦出場を果たした世界ランキング99位の武下利一(トナミ運輸)と世界ランキング5位のヤン・ウ・ヨルゲンセン(デンマーク)が対戦した。武下にとっては、ランキング上位の選手との対戦となるため、我慢の一戦となった。
第1ゲーム序盤、武下に動きの固さが見られる一方、リズムよくラリーを展開するヤン・ウ・ヨルゲンセンに6連続ポイントでリードをされ苦しい出だしとなる。武下はスピードを上げてチャンスを作ってスマッシュを放つも「ディフェンスがとても強かった」と振り返ったようにヤン・ウ・ヨルゲンセンの反応いいレシーブで決めきれずにミスを重ねてしまう。最後は武下のラウンドからのクリアーがサイドアウトになり、15-21でヤン・ウ・ヨルゲンセンに奪われてしまう。
第2ゲーム、武下が3連続ポイントを先取し流れが変わるかと思われたが、ヤン・ウ・ヨルゲンセンの得意とする長いラリーに持ち込まれ、主導権を握ることができない。「中盤まではイーブンに動けたが、後半足が止まってネットで崩されてしまった。」という武下に対し、ヤン・ウ・ヨルゲンセンはさらにスピードを上げて攻め立てる。最後は武下のドロップがネットにかかり13-21で試合終了。ヤン・ウ・ヨルゲンセンが2回戦進出を決めた。
武下は、「我慢強く行くつもりだったが、最終的には自分が崩れてしまった。」と悔しさをにじませた。「この後、韓国オープンとタイオープンの予選に出場するので、勝ち上がって本選で頑張りたい。」とこれから続く戦いへの抱負を語った。
女子シングルス1回戦
メダリストオンコート、未来に向かって奥原が魅せた一戦
奥原 希望(日本ユニシス) 21-13、21-6 リーネ・ヤエスフェルト(デンマーク)
リオオリンピックで銅メダルを獲得した日本のエース・奥原希望(日本ユニシス)が凱旋試合の初戦を迎えた。相手は世界ランキング22位のリーネ・ヤエスフェルトで、デンマークの1番手にあたる選手である。
第1ゲーム、早々に飛び出したのは奥原。正確なストロークから繰り出される多彩なショット、コースを的確に捉えた配球でヤエスフェルトを置き去りにし、連続ポイントで7-0と大きくリードを奪う。対するヤエスフェルトはここからスピードを上げて対応し、シャトルを引き付けてはドリブンクリア中心にフォア奥、バック奥にシャトルを押し込み、相手本来の上からのストロークを封じては甘くなった球を決め、5連続ポイントなどで12-15と追い上げる。しかしここで奥原がクロススマッシュでエースを奪い、流れを打ち切ると、ラリーの勢いも取り戻し、21-13として先取する。
第2ゲームは一貫して奥原のステージだった。天性のトラベリングと鍛え上げたフィジカルが織りなす卓越したラリーから、スマッシュ、カット、ドロップにヘアピン、全てのショットを得点源とするなど相手を寄せ付けない。終盤には苦しめられてきたドリブンクリアに対しても完璧に回り込み、スマッシュ、クロスカットで次々にエースを上げるなどし、21-6で快勝劇を見せた。
明日以降も一戦一戦注目を集めることとなる奥原は「明日の相手は'15中国ICで対戦したことのあるスピードのある選手。明日は祝日でお客さんもたくさん入ると思うが、その日その日の全力を出した試合でしっかり戦っていきたい。」と、らしさを見せて気を引き締め語った。
余裕の白星発進!奥原選手との対戦までは負けられない!!
山口 茜(再春館製薬所) 21-13、21-14 イップ・プイイン(ホンコンチャイナ)
リオオリンピック8強の山口茜(再春館製薬所)が初戦を迎えた。
対戦相手はリオオリンピックではグループリーグで敗退したものの、攻撃的なプレーが持ち味のイップ・プイイン(ホンコンチャイナ)。世界ランキングは山口の11位に対してイップ・プイインは34位。
第1ゲーム序盤からイップ・プイインは得意のジャンピングスマッシュを連発して攻めていくのに対し、山口は初戦とは思えない落ち着いたレシーブでこの攻撃をかわして、ポイントを奪っていく。バック奥に追い込まれても素早い動きでドロップショット、フォア奥からはクロスカットを放ち相手を翻弄する。厳しい山口の攻めにイップ・プイインはコースを狙いすぎるあまり、サイドアウト、バックアウトとシャトルコントロールに苦しみ、山口はこのゲーム21-13で奪う。
第2ゲームは何とか苦しい局面を打開しようと様々なショットを放つイップ・プイインが粘りを発揮して山口に食らいつき一時は8-10と2ポイント差まで詰め寄る。しかし山口の強さはポイントが欲しいと思った場面で確実に取りきる力が付いた点ではないだろうか。淡々とプレーする山口は慌てることもなく着実にポイントを積み重ねて20-14とマッチポイントを掴むと、最後はイップ・プイインのジャンピングスマッシュがサイドアウトとなり、21-14で退けて順調に2回戦に駒を進めた。
敗れたイップ・プイインは「相手が強いと聞いていたので試合を楽しもうと思っていた。体調は良かったしベストは尽くせた。」と話したのに対して山口は「国際大会の初戦としてはいい緊張感があり、アウトのミスが多かったがそれなりの点数で勝てて良かった。」と余裕の表情でコメントした。また「リオオリンピックの時は最終的な負け方は体力がないことが露骨に表れてしまった。自分の中ではいい試合が出来たと思っているが、波があるので常にいい試合が出来るように体力をつけたい。」と今後の課題をあげた。
気力で上回る佐藤が試合巧者をねじ伏せる!
佐藤冴香(ヨネックス)22-20、21-14 タイ・ツーイン(タイ)
勝負強さが身上の佐藤冴香(ヨネックス)が試合巧者のタイ・ツーインと顔を合わせた。
佐藤はロンドンオリンピック代表で試合中にケガをするアクシデントに見舞われ、苦しい時期を過ごしながらも完全復調し世界ランキングを13位まで上げてきた。
第1ゲームはスピードを上げて対応する佐藤と、持ち味の柔らかなショットで勝負するタイ・ツーインとの好対照な二人が持ち味を十二分に発揮する試合展開となった。佐藤が我慢強いレシーブでチャンスを待てば、タイ・ツーインは獲物を捉えるような多彩なショットをコースぎりぎりに放つ。佐藤は「相手はリオオリンピックで疲れているだろうし、自分は万全だったのでしっかり勝ちたいと思っていた。」と振り返ったが、ゲームは終盤まで1点を争うシーソーゲームとなった。しかし佐藤が強烈なスマッシュを決めて抜け出すと、タイ・ツーインのネット勝負に出る球を読みの鋭さで沈めて20-16とゲームポイントを握る。これに対しタイ・ツーインは表情を変えることなく絶妙なクロスヘアピンやフェイントの効いたネットプレーで詰め寄り土壇場で20-20の同点とする。しかし最後は粘り強くラリーを展開した佐藤に軍配が上がり22-20で追撃を振り切った。
第2ゲームに入ると、戦意喪失とは言い過ぎかもしれないがプレーが淡泊になった、タイ・ツーインのミスに加え、佐藤の放つショットがことごとく決まり13-3と大きくリードを広げる。これは多彩なショットに対応出来た佐藤の強さの証かもしれない。これだけ点差が開けば精神的にも余裕が出来たのか、終盤ミスが出て失点するものの21-14と内容的圧倒して2回戦に進んだ。
佐藤は「リオオリンピックに出られなかったので悔しいと思っていたので、この大会でしっかり頑張ろうとモチベーションは高かった。一戦一戦結果を出して東京オリンピックを目指したい。」と今日の勝ちの満足せずさらに上位を目指す意気込みを語った。
男子ダブルス
貫禄の試合運びで初Vに向けて好発進
遠藤大由/早川賢一(日本ユニシス) 21-16 / 21-19 マシアス・クリスチャンセン/デーヴィッド・ドハード(デンマーク)
リオオリンピック8強、世界ランキング8位の遠藤大由/早川賢一(日本ユニシス)と世界ランキング31位のマシアス・クリスチャンセン/デーヴィッド・ドハード(デンマーク)が対戦した。1994年生まれの若いデンマークペアとの初対戦でどのような戦いを見せるか注目が集まった。
第1ゲーム、抜け出したのはやはり遠藤/早川。レシーブ、コンビネーション、ゲームメイクで上回り、点数を重ねていく。マシアス・クリスチャンセン188cm、デーヴィッド・ドハード185cmと長身にもかかわらず、まだまだ威圧感がないせいか遠藤/早川とあまり変わらないような印象を受けるほどであった。12-5とリードしてからお互いに点を取り合い、21-16で遠藤/早川が奪う。
第2ゲームに入るとデンマークペアもミスを修正し、男子ダブルスの見所でもあるドライブ戦からアタック、レシーブで攻守の入れ替わりが激しい緊張感あるラリーが展開される。お互いに点数を重ね接戦となるが、ここでも遠藤/早川が抜け出す。遠藤の圧倒的な運動量で後衛からのスマッシュ連打、早川の小気味よい前衛の得意のパターンで20-15とマッチポイントを握る。デンマークペアも長身を生かし、ロブに飛びついて角度あるスマッシュを決めるなど19点まで詰め寄るが、最後はデーヴィッド・ドハードのスマッシュがエラーショットとなり、21-19と遠藤/早川が2回戦進出を果たした。
試合後、早川が「リオオリンピックでの腰のケガも良くなり1回戦を勝ててよかった。」と話すと、遠藤は「久しぶりの試合で疲れた。明日はしっかり戦いたい。この大会は子どものころからの憧れの大会、日本勢の中で一番よい結果を残したい。」と今大会にかける意気込みを語った。
女子ダブルス1回戦
ほろ苦いリスタート、中国の厚き壁再び
オー・ドンニ/ユ・シャオハン(中国) 21-15、21-13 福万 尚子/與猶 くるみ(再春館製薬所)
この1年飛躍的に実力、ランキングを伸ばしたものの僅かな差でオリンピック出場を逃し、悔しい思いをした福万尚子/與猶くるみ(再春館製薬所)が中国のオー・ドンニ/ユ・シャオハンとの試合に臨んだ。
第1ゲーム、序盤テンポよくリードを奪って試合を進める福万/與猶だったが、レシーブの堅い中国ペアとのゲームは徐々にラリー戦の様相を呈し、8-8と追いつかれてしまう。攻め急ぐことなく、緩急織り交ぜたショットと堅実かつ大胆なレシーブで相手を崩したオー/ユ組が長期化するラリーを確実に奪い、21-15で先取した。
第2ゲームもオー/ユ主導で試合は進んでいく。軽快な動きで小気味よくスマッシュを打ち込んでいくオーに、高い打点からリストを利かせてショットを操るユのショットに福万/與猶は我慢しきれない。2打目からの速攻や、相手ペアの間を抜くショットなどでエースを決めるなどし、食らいついて行きたい福万/與猶だったが、8-10の2点ビハインドの場面で長いラリーの末に見送った球は「イン」、3点ビハインドとなってゲーム折り返す。中国ペアも疲労の色は伺えたが、強打で攻めずとも執拗にクリアーとロブショットをリアコートに押し込み、相手のエラーを誘って得点を重ねていく。要所でヘアピンやドライブのコントロールを乱した福万/與猶は、最後も長いラリーから與猶が仕掛けたネットショットが浮いてしまい、プッシュを叩かれゲーム。粘り強さと集中力に勝ったオー/ユが21-13と快勝した。
敗れた福万/與猶であるが、試合後福万は「自分なりに挑戦できた点は良かった。合宿中から弔辞自体はよかったがモチベーションを上げきれなかった。これからは2人で調子を合わせて頑張っていきたい。」と話し、與猶も「試合をしていてフィジカルが今ひとつだと感じた」と話す。反省点や見出した課題と共に、2人の再出発と更なる成長に期待したい。
貫録の銀メダリスト、高い!強い!その力を見せつけた快勝
クリスティナ・ペダセン/カミラ・リター・ユール(デンマーク) 21-13、21-13 江藤 理恵/松田 蒼(岐阜トリッキーパンダース)
この大会をはじめ国際大会上位の常連にして、リオオリンピック銀メダリストとして、更に広く知名度を上げたクリスティナ・ペダセン/カミラ・リター・ユール(デンマーク)の長身ペアが登場、江藤理恵/松田蒼(岐阜トリックーパンダース)との1回戦に臨んだ。
第1ゲーム、長身・長い手足を駆使して早いタッチ・強打でシャトルを押し込むペダセン/リター・ユールが優位に立ってゲームを進めていく。ネット前、ドライブ、リアコートからのスマッシュ、どのショットでもシャトルを確実に沈めたペダセン/リター・ユールが江藤/松田を寄せ付けず、21-13でゲームを奪取した。
第2ゲームも主導権を握るペダセン/リター・ユールだが、江藤/松田も負けじと持ち味を発揮する。江藤が豊富な運動量と巧みな配球を駆使し、相手長身ペアの目線を上下に動かし、反応を遅らせて甘い球を上げさせては松田がスマッシュを決めていく。このスタイルで得点をあげ8-9とする。しかしさすがは銀メダリストというべきか、このスタイルを見極めると、強打への対応が遅れがちだった松田に対して要所で球を集めてミスを誘い、得点ペースを上げていく。結局、終始強打を軸に優勢を保ったペダセン/リター・ユールが「リオ後でもモチベーションを高く持ち、いいコンディションで戦えた」と言うとおりその強さを見せつけ、21-13と快勝で1回戦を突破した。
相手に注目が集まる中での一戦に敗れた江藤/松田だったが、試合後「相手は高さがあるので甘い球は決められてしまったが、作戦を練ってラリーに持ち込むことで、強い相手とも十分に戦えるという手応えを得ることができた。」と話し、今後の飛躍につながる貴重な一戦であったことを感じさせてくれた。
混合ダブルス1回戦
成長の証を見せた若手ホープが突っ走る!
渡辺 勇大/東野 有紗(日本ユニシス) 21-14/16-21/21-12
ボディン・イサラ/ザヴィトゥリー・アミタバイ(タイ)
日本の若きエースペアの渡辺勇大/東野有紗(日本ユニシス)が世界ランキング15位と格上のボディン・イサラ/ザヴィトゥリー・アミタバイ(タイ)と対戦しました。
渡辺/東野は'16ベトナムインターナショナル優勝や国内では'16ランキングサーキットでの優勝や昨年の全日本総合でもベスト4入りを果たすなど力は十二分に備えている。
混合ダブルスの試合はリオオリンピックなどを見ると、男子選手の攻撃力や運動量、女子選手の前衛での柔らかさやレシーブ力の他に、目には見えない芸術的なものが加わりお互いの総合力になっているように感じられる。
第1ゲーム序盤から渡辺/東野がコンビネーションの良さを発揮してポイントを積み重ねていく。渡辺のジャンピングカットが効果的に相手の体勢を崩し、そこを東野がすかさずネット前でプッシュを決めて簡単に21-14で奪う。
第2ゲームに入っても日本ペアの勢いそのままに、焦るタイペアのミスに乗じて連続ポイントを奪い14-7とリードを広げていく。このまま押し切れるのではと観客の視線が集まる中、タイペアがじわじわと追い上げてくる。渡辺/東野は相手の足音が大きくなるにつれ気持ち的に引いてしまったのか勢いを殺がれ、タイペアの猛攻の前に逆転を許してしまい結局16-21で奪われてしまう。
ファイナルゲームは東野がラケットを立てて前衛に入り、積極的にシャトルを押し込んでいくと、渡辺もリズム良く緩急をつけたショットを繰り出し7連続ポイントを奪うなど11-4としてインターバルを迎える。タイペアの破壊力を封じ込める渡辺/東野のコンビネーションの良さは終盤になっても衰えず、思い通りのプレーを終始展開して21-12に抑え込み2回戦進出を決めた。
試合後渡辺は「緊張感のある良いゲームが出来ました。この大会の目標は優勝です。しっかり頑張って行きます。」と話せば、東野は「リオオリンピック見て、自分たちは4年後には金メダルを目指したい。」と力強くコメントした。