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観戦記事 9/24(土)準決勝
男子シングルス準決勝
圧巻のゲーム支配、リー・チョンウェイが常連の舞台・決勝戦へ駒を進める
リー・チョンウェイ(マレーシア) 21-14、21-15 マーク・ツィーブラー(ドイツ)
オリンピック3大会連続銀メダル、名実ともにスタープレーヤーであり日本でも高い人気を誇るリー・チョンウェイ(マレーシア)が準決勝のコートに登場、ほぼ同年代であるドイツの左腕、マーク・ツィーブラーと一戦を交えた。
第1ゲーム、今日のコート上での間隔を確かめるかのように大きくラリーをするチョンウェイ、対して、チョンウェイに12連敗中であるツィーブラーはチャンスで積極的に打ちおろして点を取りに行く姿勢を見せ、お互いに点を取り合ってゲームは進んでいく。ツィーブラーのスマッシュがサイドラインいっぱいに突き刺さる場面も多々あったが、チョンウェイが数段上だった。中盤以降、確実に引き離して21-14、難なくゲームを奪う。
第2ゲームに入ると、チョンウェイは多彩なショットでツィーブラーを崩し、9-1と大きくリードを奪う。必死にラリーを繋ぎ、攻める形に持ち込むツィーブラーだが、どうしてもあと一歩、手が届かない。後半スピードを上げて、あらゆるショットで観客を魅了したリー・チョンウェイが危なげない試合運びで21-15、相性の良さを存分に見せつけて快勝した。
風格漂うチョンウェイは試合後、「いつものことだが、自分の準備をしっかりやることを心がけている。相手云々ではなく、自分の形で、自分のプレーでゲームをすること、落ち着いてリラックスしてプレーするようにしているんだ。」と、プレーの神髄を語ってくれた。
多彩な攻めで初優勝へ王手をかける!
ヤン・ウ・ヨルゲンセン(デンマーク) 21-14、21-19 ソン・ワンホ(韓国)
ヨーロッパ勢を代表する攻撃型のヤン・ウ・ヨルゲンセンとディフェンス型のソン・ワンホ(韓国)とスタイルの違う2人が相見えた。
第1ゲームはソン・ワンホがネットプレーを多用してさらにロブやクリアを左右に巧みに運び、強打が持ち味のヤン・ウ・ヨルゲンセンの攻めを単調にさせる。しかし点差は思いのほか広がらずソン・ワンホにミスが出てヤン・ウ・ヨルゲンセンが11-10と逆転してインターバルを迎える。男子シングルスの試合は強打を主体に組み立てるイメージがあるが、この2人は全てのストロークを駆使してラリーを展開していき、若干甘くなるとスマッシュを放つが決まらなければまた我慢強くラリーを続けていく。しかし、ソン・ワンホは「体が重くコンディションは良くなかった。」と試合後話したが、持ち前の粘りを終盤まで持続することができずヤン・ウ・ヨルゲンセンが21-14で奪う。
第2ゲームに入るとソン・ワンホが一転して攻めの姿勢を強めスマッシュを次々に決めて5-0とリードする。しかしヤン・ウ・ヨルゲンセンは焦らず我慢比べに持ち込み、ソン・ワンホの体力を奪っていく。中盤早い攻めでスマッシュ&ネットなど連続4ポイントを上げて17-14と逆転するとドライブ戦やネット前での巧みなロブで相手の体勢を崩しマッチポイントを掴む。結局最後はヘアピンを押し込み21-19でヤン・ウ・ヨルゲンセンが勝利し、この大会初優勝に王手をかけた。
この大会の男子シングルスでの使用シャトルは平均17個だがストレートで終わったこの試合では22個といかにラリーが長かったかを計るひとつの尺度となった。
ヤン・ウ・ヨルゲンセンは明日のリー・チョンウェイ(マレーシア)戦について「オリンピック前は厳しい練習で体重が少し減ったが、少し休みが取れたので調子は良い。」と1勝16敗と対戦成績は悪いものの雪辱に燃えていた。
女子シングルス準決勝
コートに対峙し4年後の主役たち、次代を担う一戦の行方は…?
スン・ユ(中国) 21-17、21-18 山口 茜(再春館製薬所)
2020年東京オリンピックの主役は誰だ?若手選手たちにとってはそれを占う主戦場となった今大会、準決勝でまさにそうした意味合いの強いカードが実現した。日本の19歳、山口茜(再春館製薬所)と中国の22歳、スン・ユの一戦である。身長156cmの山口に対してスンは184cm、正反対の体格の2人による予測不能な試合展開に注目が集まった。
第1ゲーム、昨日の奥原戦と変わらず動きの良さを見せる山口は序盤からコートを駆けめぐり、緩急を巧みに使ってラリーを展開する。対して、長いリーチを活かして少ない歩数でシャトルに追いつき、ショットを打ち分けるスンは随所に強打が光る。山口のドリブンクリア―を高い打点で抑え込んだスンがこのゲームの主導権を渡さず、21-17で先取した。
第2ゲーム、山口はカットを多用して相手を動かし、スピードを上げて好機を作り出してはスマッシュを打ち込んでいく。スンはそれでも粘り強くシャトルを拾い、随所に山口の脚を止めるショットを織り込んで応戦、互いに譲らないラリーが続き、ネット前勝負の機会が増えるなどしながら、14-14と息を飲む展開のまま後半に突入していく。常に大きな相手のプレッシャーの中、スピードで戦ってきた影響だろうか、山口にミスが出始めてくると、この隙を見逃さなかったスンが最後までしっかりシャトルを押し込み、21-18とし、この大事な一戦をストレートでものにした。
惜しくも敗れた山口は試合後の会見で「自分らしいプレーが所々にできたが、主導権を握れなかった。悔しいです。」と悔しさをにじませたが、これからも4年後に向け続いていく海外転戦について「まずはコンスタントにスーパーシリーズベスト4入りできるようになることが目標、色々なタイプの選手に対応できるような力をつけていきたい。」と、自身の思い描くロードの一端を語ってくれた。
初めてのベスト4も自分を厳しく見つめ直す大会となった!
ヘ・ビンジャオ(中国) 21-17、22-20 大堀 彩(トナミ運輸)
初めてスーパーシリーズベスト4入りを決めた大堀 彩(トナミ運輸)が昨日の試合で実力者ラチャノック・インタノン(タイ)を破ったヘ・ビンジャオ(中国)対戦した。
大堀はトナミ運輸に移籍して男子選手との練習を積み重ね課題のフィジカルとスタミナを磨き、長身を活かした角度あるショットを放つ攻撃型の選手。対するヘ・ビンジャオは巧みなラケットワークと簡単に引き下がらない強い精神力がある。
19歳同士でサウウスポー対決の第1ゲームは、お互いに手の内を探り合う中、大堀はクロススマッシュや高い打点でのヘアピンなどでペースを掴もうとするが、ヘ・ビンジャオは攻め急がず巧みなショットで対抗一進一退の展開が続く。大堀は中盤4連続ポイントを奪ってついに14-13と逆転する。しかしここでヘ・ビンジャオが一段ギアを上げてクロススマッシュで再び振り出しに戻すと、終盤先行する流れを作る。大堀のクロスカットが有効打となりヘ・ビンジャオを苦しめたが結局17-21で奪われてしまう。
第2ゲームに入ると大堀が攻撃力に厚みを増し、スマッシュをストレート、クロスに打ち分け攻める姿勢を鮮明にする。ヘ・ビンジャオは「相手の攻撃が鋭く苦労した。」の言葉が裏付けるようにリードを広げて19-11とする。ここからまさかの逆転が待っているとは誰もが予想しなかっただろうし、ヘ・ビンジャオも「ファイナルゲームを覚悟した。」という。しかし大堀は「大きくリードしていることを忘れた試合運びをしてしまった。」と悔やむように、ミスが続いて19-16まで詰められてしまう。さらに相手のヘアピンミスで先にゲームポイントを握り4点差としたが、ドライブ戦で力負けし、タッチの速いロブに体勢を崩されてしまい20-19となる。さらにヘ・ビンジャオはここでこの試合初めて見せるジャンピングスマッシュを決めてついに20-20の同点となってしまう。大堀は「最後の点の取られ方はあり得ないことで自分自身にも理解できない。技術的なものではないと思う。」と結局20-22で敗れてしまった。
勝利したヘ・ビンジャオは「終盤レシーブが良くなった。自分のプレーは引退した先輩たちと違い、見ていて面白い試合ができることだし、コートに立つと仕方なく強引な強い態度になってしまう。」とおどけて見せた。
敗れた大堀は「本当に強い相手に勝つためには、練習以上に大切なものがあるように思える。それは私生活の甘さがでたもので、もっと自分自身を厳しくしていきたい。」と心機一転を誓った。
男子ダブルス準決勝
決勝進出ならず。ソノカムペア、ドライブ合戦の末、韓国ペアに惜敗。
キム・ギジュン/コー・スンヒュン(韓国) 17-21、21-15、21-18 嘉村健士/園田啓悟(トナミ運輸)
昨年、全日本総合優勝、スーパーシリーズ準優勝を果たし、円熟期を迎えつつあるペアが、ペアリング変更で出場のキム・ギジュン/コー・スンヒュン(韓国)と対決した。お互いにドライブを持ち味としているため、ドライブ合戦になると予想された。
第1ゲーム、序盤から激しいスマッシュの打ち合いとなり観客を魅了した。互いドライブでレシーブすることで反撃を試みたが、両ペア確実にレシーブをし、どちらも譲らない試合運びとなった。高さのあるキム・ギジュン/コー・スンヒュンから打ち放たれるスマッシュは、速さ、角度があり、嘉村・園田を苦しめる一方、嘉村・園田は、持ち味の「ノーロブスタイル」を活かし、速くて正確なドライブで攻めることで相手選手のミスを誘った。嘉村・園田のスピードは韓国ペアを圧倒し、徐々に点差を広げていった。園田のコースを突くスマッシュや、嘉村のコートいっぱいに散らすドライブに韓国ペアが対応しきれず第1ゲームを取った。
第2ゲームでは、キム・ギジュン/コー・スンヒュンが嘉村・園田のスピードに慣れ、対応してくるようになった。それにより第1ゲームより激しいドライブ合戦となり長いラリーが続いた。そんな低くて速いラリーが繰り広げられる中で、ふと嘉村がタイミングを変えるショットをネット前、クロスへと打ち分けることで、球を作り自分たちの攻めの起点となった。しかしスピードに慣れてきたキム・ギジュン/コー・スンヒュンのドライブは、パワーを増してきたため、少しずつ食い込まれ始め甘い返球となってしまう。そのままキム・ギジュン/コー・スンヒュンに押し切られ、第2ゲームを取られてしまった。
ファイナルゲームでは、序盤から積極的にスマッシュ、ドライブで攻めていった。しかしラリーが続いている中で少しでも甘くなった球をキム・ギジュン/コー・スンヒュンに打たれ、嘉村・園田の重心を崩すようなドライブで左右に振られ、点数を取られた。中盤にはレシーブが浅くなりスマッシュで決められてしまった。また14-18のからスマッシュミス、15-19の場面でサ-ビスミスという大事な場面でミスを連発してしまった。最後18-20まで追い付いたものの、自分たちの形が作れず敗れてしまった。 試合後嘉村は、「応援は力になったし、ありがたかった。決勝にいけるチャンスがあったので悔しい。ベスト4では不満。優勝できる力をつけたい。」と悔しそうに語っていた。
圧倒敵なアタック力でレシーブを打ち抜き、初Vを狙う
リー・ジュンホゥイ/リゥ・ユチェン(中国) 21-13、18-21、21-15 モハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)
世界ジュニア優勝の中国の超大型ペアのリー・ジュンホゥイ/リゥ・ユチェン(中国) と2度の世界選手権優勝のほか、数多くの国際タイトルを獲得。観る者を惹きつける抜群のテクニックと、ハイスピードな攻撃を駆使するモハマド・アッサン/ヘンドラ・セティアワンが対戦した。中国ペアはともに190cmを超え、強烈なスマッシュが持ち味でドライブやレシーブなどの低い展開が得意なインドネシアペアがどう戦うか注目が集まった。
第1ゲーム、中国ペアが圧倒的なアタック力で攻めたてる。一方のインドネシアペアはドライブで組み立てて素早い連打で反撃する。このゲームはリゥ・ユチェンのスマッシュが冴え渡り、21-13で中国ペアが簡単に奪う。
第2ゲーム、流れは変わらず、リー・ジュンホゥイが前に落としてゲームを作って、リゥ・ユチェンがスマッシュの得意のパターンで試合を有利に進めていく。しかし、インドネシアが得意とするドライブを中心とした低い展開になり、モハマド・アッサンが作って、ヘンドラ・セティアワンの後衛からの連続スマッシュで15-16と逆転されてしまう。最後は甘く入ったサービスレシーブをヘンドラ・セティアワンがスマッシュで決めて18-21でインドネシアペアに奪われてしまう。
ファイナルゲームは、ヘンドラ・セティアワンの「中国ペアのスマッシュがよくレシーブで対応できなかった。」というように中国ペアが強打で連続ポイントを奪って11-4とする。インドネシアペアはギアを上げてコンビネーションよい素早いローテーションで、追い上げるが反撃及ばず、最後はヘンドラ・セティアワンのサービスレシーブがネットにかかり、21-15で中国ペアが決勝進出を果たした。
試合後、リー・ジュンホゥイは「今日の試合では良い状態、悪い状態の両方があったが、我慢して戦うことができたことが勝因だと思う。」と話せば、リゥ・ユチェンは「今日の1勝は自信となり、自分たちの成長を感じることができた。明日の対戦相手のキム・ギジュン/コー・スンヒュン(韓国)はペア結成から時間がたっていないので、前に出て攻撃し優勝を目指したい。」と初優勝に向けて意気込みを語った。
女子ダブルス準決勝
しっかり勝ち切る力、2度目のVに向けて視界良好
松友 美佐紀/髙橋 礼華(日本ユニシス) 21-14/21-19 田中 志穂/米元 小春(北都銀行)
ここまで安定した戦いを見せているリオオリンピック金メダリストの松友美佐紀/髙橋礼華(日本ユニシス)と格上のプティッタ・スパジラクル/サプシリー・タエラッタナチャイ(タイ)を破ってスーパーシリーズ初のベスト4入りを果たした田中志穂/米元小春(北都銀行)が対戦した。
第1ゲーム、お互いに点を取り合い、6-6から髙橋が後衛からの強打、松友の巧みの前衛で徐々に主導権を手繰り寄せていく。さらにスピードを上げて9-6、13-8、17-11、20-12とし、最後は長いラリーになるも松友/髙橋は丁寧にリターンし、米元のミスショットで21-14と安定した展開で奪う。
第2ゲームも松友/髙橋が有利に試合を進めていく。一方の田中/米元は劣勢ながら、ドライブを中心として低い展開となるように配球し、食らい付いていく。「昨日までがむしゃらにスマッシュしていたが、コースを考えながら打てていた。」という田中がスマッシュをサイドライン際に決めるなど追い上げを見せて18-18となる。「低い展開であれば自分たちに勝負ができた。ただ、松友選手に前に入られて先手を取られてしまった。」と米元が悔しそうに振り返ったように松友/髙橋の得意とする展開になる。松友/髙橋の得意な攻撃のパターンの中、田中/米元は左右のオープンスペースにシャトルをリターンするも髙橋が脅威の粘りを見せ逆転を許さない。最後は田中のヘヤピンがネットにかかり、21-19でゲームセット。競ったものの、このゲーム一度もリードを許さず要所を締めた松友/髙橋が決勝進出を果たした。
試合後、髙橋は、「昨年松友のケガで棄権になって2年ぶりの決勝進出。楽しみながらがんばりたい。」と話せば、松友は「対戦相手に関係なく、自分たちがどこまでできるかがんばりたい。ライトアップされたコートでプレーできるのが楽しみ。」と抱負を語った。
見せた地力、圧巻のスマッシュ連打、ペダセン/リター・ユールが雪辱の決勝へ
クリスティナ・ペダセン/カミラ・リター・ユール(デンマーク) 21-23、21-16、21-17 ルオ・イン/ルオ・ユー(中国)
デンマークのクリスティナ・ペダセン/カミラ・リター・ユールが中国の双子ペア、ルオ・イン/ルオ・ユーとの準決勝に臨んだ。リオオリンピックの予選グループで対戦した両ペア、その試合に勝ったペダセン/リター・ユールがその後も勝ち上がりファイナリストとなった。ルオ姉妹としては何としてもここでリベンジを果たしたい大事な一戦である。
第1ゲーム、まず持ち味を得点に結びつけたのはレシーブ力に定評のあるルオ姉妹、相手の強打に一歩も引かず、より前で、高い位置でリターンし、正面のドライブに持ち込んで自在に球を沈めていき17-10と優位に立つ。ペダセン/リター・ユールはここから徹底的なアタックで盛り返し、20-20と追いついて延長ゲームにとするが、よく相手が見えていたルオ姉妹が巧みな配球でかわしきり、23-21でこのゲームを奪う。
第2ゲーム、ペダセン/リター・ユールの真骨頂、強力なスマッシュが大いに炸裂する。何度上げられても決して逃げず連打を繰り返し、ハーフコートからはクロスにねじ込んで得点を重ねていく。粘り強くリターンをし、長いラリーを繰り広げるルオ姉妹だが、中盤以降は守り一辺倒となってしまい攻めきられてしまう。21-16としてペダセン/リター・ユールが取り返した。
迎えたファイナルゲーム、第2ゲーム同様にオフェンスvsディフェンスのはっきりした戦いとなる。前ゲーム終盤からやや疲れの色が見えていたリター・ユールにかわり、要所でペダセンが後ろで前でと決定打を立て続けに決め、11-7とゲームを折り返す。後半は目に見えて足の止まる場面も出てきたが、リター・ユールが再び渾身のショットを浴びせ、ゲームの流れは渡さない。この徹底した攻撃に、ルオ姉妹は完全にコート後方でのレシーブの構えとなってしまい、勝負は決した。最後までスマッシュで攻めきったペダセン/リター・ユールが21-17として93分にも及ぶ試合を制した。
「予想していたが、相手はディフェンスが強いので本当にタフな試合だった。それでも積極的に攻めると決め、打ち抜けたことがよかった。」と、試合後ペダセン/リター・ユールは語ってくれた。明日、待望のオリンピックリベンジマッチとして髙橋/松友との決勝戦に挑む彼女らは、「またここで対戦できることにとてもエキサイティングしている。しっかりエネルギーをとって、気持ちをこめて戦いたい。」と、また強打を打ち続ける姿が見られるに違いない。
混合ダブルス
これぞミックスダブルスの形!!コー・スンヒュン/キム・ハナ(韓国)が見事リオ銀メダリストペアに勝利
コー・スンヒュン/キム・ハナ(韓国) 21-14/21-18 チャン・ペンスン/ゴー・リューイン(マレーシア)
ミックスダブルスの準決勝では、180cm、172cmと高身長ペアのコー・スンヒュン/キム・ハナ(韓国)と、リオオリンピックで見事に銀メダルを獲得し、2012年大会では優勝も成し遂げたチャン・ペンスン/ゴー・リューイン(マレーシア)との一戦なった。パワー、スピードが持ち味の韓国ペアに対し、強いレシーブや、コンビネーション抜群の速いローテーションが武器のマレーシアペアの対決は注目のカードとなった。
第1ゲーム序盤、マレーシアペアの前衛でのミスが続きいたため、韓国ペアが4点連取した。序盤からリードできたことで余裕をもてたのか、その後のサービスから落ち着きを見せた。粘り強くレシーブをしてくるマレーシアペアに対して、ネット前の技術が高いキム・ハナを前衛に、パワー、スピードのあるコー・スンヒュンを後衛にという、お得意の形を常に作ることができ、得点を重ねていった。インターバルを11-8で迎えた後も、マレーシアペアのカット、ヘアピン、ロブのなどのミスが目立ち、点差が開いた。韓国ペアが主導権を握ったまま21-14で第1ゲームを取った。
第2ゲームでは、キム・ハナが持ち前の広い守備範囲を前衛で見せ、前に落とすことで攻撃の形にもっていった。しかし、前衛のキム・ハナがギリギリ触れないハーフ球を打たれるようになり、ドライブやハーフ球の打ち合いとなった。そのため攻撃にもっていきたいコー・スンヒュンが、ネット前ぎりぎりに落とすような球を打ち始めたが、ネットにかけてしまうことが多かった。中盤開いていた点も、徐々に縮まり、18-18と接戦となった。しかし最後は、キム・ハナが前衛、コー・スンヒュンが後衛という形を徹底した韓国ペアが見事、リオオリンピック銀メダリストペアの世界トップクラスの相手を21-18で破った。
試合後、コー・スンヒュンが「リオオリンピックで銀メダルを取った相手だったので緊張していた。しかし、こちらもしっかりと準備をしてきたので自信を持ってやれた。」とコメントしてくれた。決勝への意気込みについて聞かれるとキム・ハナは「自分たちのプレーを100%出して頑張りたい。」と力強く語ってくれた。正確なプッシュやヘアピン、スピードのあるキム・ハナが前衛、広いコートカバー力や、パワーのあるショットを持っているコー・スンヒュンが後衛を徹底できたことが、世界トップ選手を倒せた勝因であると思わせた試合であった。