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次世代のヒーロー・ヒロインも参戦
日本期待の若手が躍動する!
バドミントンは1992年のバルセロナ五輪で正式競技に採用されて以降、世界のトップ選手は4年ごとにトップランカーの顔ぶれが変わる傾向がある。ヨネックスオープンジャパンの大会展望の第一弾では、4年後にヒーロー&ヒロインになる夢を描いている若手選手たちを紹介しよう。
期待が大きい!
次世代ターゲットスポーツの育成・強化メンバーたち
ここ数年、バドミントンは世界トップで日本が活躍するようになり、注目度が飛躍的に高まっている。その期待の表れが、日本スポーツ振興センターによる「ジュニア・ターゲットスポーツの育成・強化」事業に、体操・トランポリン(男子)、自転車・トラック(女子)の2競技とともに、バドミントン男子が選ばれたことだ。
この事業は、活躍が期待される競技の若手選手に計画的な指導体制を整備し、国際競技力の向上を目指している。
平成28年度、この対象メンバーに選ばれたのは、ナショナルB代表も兼ねる11人の男子選手だ。ナショナル強化部の芝スミ子氏はこう説明する。
「今年はインドネシアで強化合宿を実施したり、海外遠征も行っています。彼らは、ナショナルBとしての活動以外にも世界での経験値を重ねていますね」
実際、男子シングルスとして活動しているのは、五十嵐優(中央大)、常山幹太・下野走(トナミ運輸)、渡邊航貴(埼玉栄高)、奈良岡功大(浪岡中)の16歳から21歳までの5人だ。
注目度の高い奈良岡功大
中学生で日本代表Bに
なかでも注目は中学生で選ばれた奈良岡功大だろう。現在、中学3年の奈良岡は、中1のとき、日本一を決める全日本総合の男子シングルスに最年少で出場するなど、"スーパー"ぶりを見せつけてきた。それだけに19歳で迎える4年後にどれだけ飛躍しているか、期待は大きい。
「中学生ながら技術が高く、体格差のある他の選手ともコートでしっかりとわたりあっている。物怖じしない気持ちの強さも魅力」というのは、芝氏だ。ヨネックスオープンジャパンには、現在、リザーブとして登録されており、棄権する選手がいれば、今年、大舞台を踏む可能性は十分ある。
むろん、奈良岡だけでなく、ディフェンス力の高い五十嵐、左腕からの攻撃力が光る下農、キレある攻めを持つ常山、バランスのいい渡邊航のプレーもヨネックスオープンジャパンでチェックしてほしい。
計画的な混合ダブルス育成策も!
渡辺勇大/東野有紗に注目
男子ダブルスは、保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)、渡辺勇大/三橋健也(日本ユニシス/日大)、井上拓斗/金子祐樹(日本ユニシス)の3組がターゲットスポーツの強化メンバーに選ばれている。
このなかでもっとも勢いがあるのは、A代表の保木/小林だ。昨年の全日本総合では初めて決勝に進み、惜敗したものの、勢いあふれるプレーは多くの人の目をひいた。思わず声援を送りたくなる真っ直ぐな雰囲気も魅力的だ。今年、ともに21歳と多くの可能性を秘めている。
また決勝の対戦相手である園田/嘉村(トナミ運輸)も、4年後を見据えているだろう。2020年には30歳と世界一線で活躍できる年齢で、このヨネックスオープンジャパンがリスタート地点となる。
さらにターゲットスポーツの強化メンバーのうち、渡辺勇大は、ナショナルBの東野有紗(日本ユニシス)との混合ダブルスにも目が離せない。
昨年の総合で3位入賞した2人について、日本バドミントン協会では、今後、混合ダブルスのペアとして強化していくプランがあるという。日本協会が、混合ダブルスに関し、計画的に選手育成策を持ったことは初めてで、"攻め"の戦略と言える。
アテネの惨敗を反省し、今の活況を作った日本協会だけに、この初の試みも成功させたい。
女子シングルスは、奥原&山口に
大堀彩が絡むか
なお、すでに世界のトップレベルにある女子は、「ジュニア・ターゲットスポーツの育成・強化」事業の対象にはなっていない。しかも、現在、日本を代表する女子シングルスの奥原希望(日本ユニシス)は21歳、山口茜(再春館製薬所)は19歳と若く、アスリートとしての道はこの先も長く続く。
この2人に対抗すべく、ナショナルBから這い上がってくるのは、大堀彩(トナミ運輸)か。20歳のスマッシャーは、2013年の世界ジュニアで準優勝し、ユーバー杯代表にも選出されるなど、ポテンシャルの高さは評価されてきた。
「最近、練習のランニングでも先頭に立とうとするなど、気持ちが前向きになってきましたね。選手の向上心というのは、そんな姿勢ににじむものなんです」(芝氏)
奥原、山口の陰に隠れがちだった大堀が、非凡な攻撃力を開花させる日がヨネックスオープンジャパンになれば見物だ。
一方、女子ダブルスもまた世界ランキング1位に君臨する髙橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)が今後も活躍しそう。ナショナルBで、そんな絶対的なお手本を身近に見ているのは、米元小春/田中志穂・永原和可那/松本麻佑(北都銀行)、櫻本絢子/髙畑祐紀子(ヨネックス)、加藤美幸/柏原みき(筑波大)だ。
このなかからどのペアが世界で活躍しそうか、ヨネックスオープンジャパンでチェックすれば大会はいっそうおもしろくなる。